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建設経営者倶楽部 2月例会
中期経営計画作成ワンポイントセミナー

夢を描いて,人を育てる

建設経営者倶楽部 2月例会として,TJ天気予報 社長 大前陽子氏と学ぶ
「夢を描いて,人を育てる」と題した,「経営理念と経営計画」を開催しました。
その概要を報告致します。大前さんの優しさあふれるお話に,参加者全員が
引き込まれ,活発に議論して頂きました。
■カリキュラム
大前陽子様 基調講演
質疑応答,意見交換

開催日  2006年2月17日(金)
日程   13:30〜16:30
開催場所 名古屋都市センター(金山駅南口)名古屋市中区金山町1-1-1 
      金山南ビル内
        TEL:052-678-2200

  • ■基調講演概要
  • ・現在では,愛知県一宮市を拠点として,美容室を17店舗,エステを1店舗営業
     している。美容業は,昔から労働環境が整わない業界であるが,自社では全社員
     社会保険に入ってもらっている。
  • ・経営理念に掲げている想いは,自分の生い立ちを紐解いていくことから始まっている。
     私は母子家庭で育ち,高校を卒業するまで母とも離れて育った。高校卒業後,
     美容師になるために就職した。就職した店は,非常に忙しかった。母も美容室を
     営んでいたが,店にお客様が来なくて非常に悔しい思いをしていた。
  • ・この悔しさをはらすために,22歳で独立し,100万円の借金をして,母の店を
     改装した。その当時住んでいた部屋は,ろくに鍵がかからない部屋であったので,
     次に住むところは,ドアがちゃんとついている部屋に住みたいと思っていた。
  • ・26歳で立ち退きにより,別の場所に20坪の土地を1,400万円で購入し,28歳で
     店を移転させた。店だけは立派にしたが,30歳までに2,300万円の借金を返し,
     将来自分の家に住むことを夢見ていた。
  • ・30歳の正月に美容学校の同窓会があり,そこで今の旦那と出会って,その年の
     6月には結婚をした。その旦那の発想が面白く,「田んぼの真ん中に学校をつくる」
     のが夢であった。その夢から「脱美容室:美容室の匂いがしない美容室」を目指し,
     田舎に130坪の敷地に35坪の建坪の店舗を建てた。
  • ・店の名前は,「天気予報」とした。これは,誰でもわかるし,朝・昼・晩と無料で
     名前を宣伝してくれるからである。テレビで天気予報をやっていると,美容室にも
     こんな名前の店があったなと思ってもらえる。
  • ・業界のある勉強会に参加したが,その時「社員に経営状況を公開できない会社は
     去れ」と言われた。その勉強会で,三年後の夢として,“売上1億2,000万円3店舗”
     を掲げた。これが経営計画の始まるであるが,書いたことによって,後にも残る
     という点と,今やっていることは,3年後につながるのかを確認できることが良かった。
  • ・この計画を達成したことによって,夢を達成できたという実感が持てた。また,
     定期採用をはじめたことも,夢の実現を実感できたひとつである。
  • ・バブルの時期は,人材不足で人を集めるのに苦労をした。店舗自体が僻地で
     やっていたので,栄や名駅周辺のお店に人材が集中して,人が来ない状況で困った。
     自分自信の問題を解決していけば,人は来てくれるようになると信じてやってきた。
     自分たちの言葉をまとめて,経営理念としたが,最初は恥ずかしかった。いつかは
     スカッと言えるようになりたかた。
  • ・4期目にようやく454万円の黒字となり,少し誇らしい気持ちになった。その時,
     「これから先どのような経営をしていくのか」と,勉強仲間から問われたので,事業を
     発展していく道を選ぶと答えた。しかし,質問をされた方から「会社の土地を個人の
     名義で購入しているのは,おかしい。なぜ会社の名義にしないのか。」と問われた。
  • ・「子どもが育って欲しいと思うように,会社も同じである。社長という立場の親が,
     こどもである会社から搾取してどうするのか」と言われた。納税の意識と会社と
     個人のお金の意識を持つようになった。この時,やることをやっていないと指摘された。
  • ・業界としては,今でも9割位が社会保険にも入っていない状況であるが,その時に
     社員全員に社会保険に入ってもらった。社員を守るために,これだけの経費が
     かかると決めれば,捻出する方法が見つかるものである。
  • ・人材不足で中途採用等を行っていたが、組織をつくっていく段階では非常に苦労した。
     人をつくらないと,いくら技術を教えても何もならない。前を見る力がない社員や,
     自分の力を信じない社員の力をいかに引き出すかに苦労した。
  • ・自分自信も未だ見ない力があると信じて,毎年経営計画書を作成した。経営計画書を
     作成し社員に発表すると,逃げ場がなくなる。めげそうになると,こんなことでは
     いけないと思えるようになった。計画して実行するように,うまくいったところやうまく
     いかなかったところを,明確にするようにした。そうすることで,長いスパンで取り組ん
     でいかなければならないこともわかるようになった。
  • ・各社員も自分のおかれたポジションにおける問題点を明確にするために,経営計画書
     の中に教育研修体系図を作成し,入れている。どのお客様に長くお付き合いをして
     頂きたいかを考えて,そのためには自分はどのような人材にならなければならない
     かを明確にしている。
  • ・現状の美容業界では,マーケット自体が減少しているにも関わらず,店舗数は増加
     している。現在では,競争とコラボレーションの環境をいかに創り出していくかが課題
     である。そのために,「脱美容室」「青春真っ盛り」をキーワードに,私らしさ,自分
     らしさを追求している。当社では,外部の研修に行ったら,必ず会社に何かを持ち帰る
     ことがルールとなっている。
  • ・毎年,社員旅行を計画しているが,入社3年目位の社員が自ら手を挙げて,
     計画してる。社員の意見を吸い上げて,面白いパンフレットを作成したり,出し物を
     考えたり,部屋の割り振りなど,全てを計画している。このことによって,当社らしさの
     報告・連絡等も学んでいる。社内イベントは,皆で苦労してやりきったという達成感が
     ある。
  • ・10%の利益を出すように,経営計画書を作成しているが,経費が知らず知らずに
     ふくまらないように注意している。全体的なパーセントを見て,ふくらむ理由を考える。
     安いコストで最も効果が出る方法を考えている。
  • ・現在では,データ化したものを各店舗が毎日報告してくる。裏のホームページで
     週間報告が見え,予算対比の売上実績等がわかる。入社2年目の社員が報告して
     くるが,全店舗の状況が把握できるので,競争意識から小さなことから工夫して
     くれるようになった。これによって,500万円のコストダウンにつながっている。
  • ・大勢になればなるほど,モチベーションが上がる仕組みを考えている。
     例えば,お客様に新メニューと名刺は,きちんと渡すことを徹底させるように工夫
     している。このように全社員の取り組みで,決算賞与を支給できることが嬉しい。
  • ・少子化によるマーケットの縮小に対応するため,新規顧客へのアンケートや過去客に
     対するアンケートなどをデータ化して,優良顧客が何%であるかなどを分析している。
     また,無記名で社員アンケートを実施し,社員の本音を引き出したり,問題がある社員
     にカウンセリングを行ったりしている。
  • ・店長の権限ばかりではなく,スペシャリストである社員のプロジェクト権限を強化
     したいと,今年は考えている。人を集めて組織化し,専門知識を持っていることを
     活かしていくために,能力を活かす場を与えてやらなければならない。
  • ・店長会議の前にプロジェクトのミーティングを実施して,ヒューマンスキルとコーチング
     スキルを伸ばすようにしている。これによって,プロとしてのアドバイスとして提案型の
     接客ができるようにしている。お客様の考えを聞いて,問題を解決し,トレンドを満たす
     ための技術があるのかを考えている。これによって商品化につなげ,客単価を
     上げている。今年は,一人あたり前年度比315円のアップであった。

  • ■主な質疑内容
  • Q1:業績が悪いときは,どのような気持ちでいたのか。
  • A1:業績が悪いときは,お客様に対しての投資であると考えていた。お客様や社員の
      満足につながる将来のための投資である。悪いところを組み替えて,満足が頂ける
      サービスを考えた。
      トップだけではなく,問題意識を持ってくれる社員を育てるかが鍵である。一緒に
      なって頭を抱えて考えると,社員から思いがけないアイディアが出てくる。
      その問いかけをすることが重要である。参画意識を出させること。新入社員で
      あっても問いかければ,想いはある。
  • Q2:目標設定の方法は,どのようにしているのか。
  • A2:各店舗からボトムアップで目標数値を出してもらい,会社側の計画とすりあわせを
      行い,目標数値を決めている。目標数値は,客単価や客数,メニュー開発数で
      ある。毎年1〜2%伸ばしたいと考えている。毎日,昨年対比と目標対比が
      わかるようにしている。
      目標数値をすりあわせる時に,計画に対して数値が不足していると,それを引き
      受けるマネージャーが出てくる。年俸であると1年間変化が無くなってしまうので,
      3ヶ月に1度業績にあわせて評価を実施している。プロセスを評価指定欲しいとの
      社員からの要望があるので,人事考課をオープンにさせたいと考えている。
  • A3:やるべきことをしない社員に対しては,どのような対応をしているのか。
  • A3:やるべきことをやらないと,会社の中では評価されない社風となっている。
      はみ出す人は,自ら首にしなくてもいつの間にかいなくなる。怠ける人を以下に
      理解させて,引き上げていくかが問題である。会社としては,規律を乱したり,
      不正を行った社員に対しては,毅然とした態度を見せる必要がある。